毎日がもふもふ

新規事業に特化した渋谷の開発会社mofmof inc.を経営するエンジニア兼代表・原田敦のブログ

採用面談で失敗してしまいがちな3パターンをまとめた

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立場上、新しく入社希望してくれる人の面談をしたり、業務委託で外注する人を探したりする仕事を担当することが増えた。

仕事をお願いする相手が自分の期待値を満たしてくれる存在であるかどうかを確かめることは、雇用か外注かに関わらず必要である。

けれども、この領域はそれだけでも専門特化したスキルが必要で、一筋縄でいかないということが何度かの経験を経て分かったことだ。

他人のことは自分が思う以上に分からない、その前提で望まない限り結果を出すことは難しい。ちょっと話しただけでその人の能力が分かる、などと豪語する人もいるが、おこがましいことこの上ない。メンタリストにでもなったつもりか。一生スプーンでも曲げてろ。

面談時の失敗3パターン

何度も何度も面談をしてきた結果、面談のときや、合否判断をするときにやってはいけないことのパターンが見えてきた。

  • 面接官がコミュニケーションを牽引し過ぎる
  • バイアスのかかった質問をする
  • 人間的に好きだから入社させたくなる

面接官がコミュニケーションを牽引し過ぎる

エンジニアやそれ以外、どんな仕事だったとしても絶対に必要となる能力がコミュニケーション。これが成立しない人とは一緒に仕事することが著しく困難になる。

なにも流暢にユーモアとウィットに富み、ブラックジョークも軽快に使いこなせるような、ハイパーコミュ力強者である必要などみじんもない。必要なのは、両者ストレスなく意思疎通が取れること、ただこれだけ。

面接官が、コミュニケーションを牽引することで、面談の場を和やかな雰囲気にすることは出来るが、意思疎通出来ているという状態が、面接官自身のコミュニケーションスキルに依存していたことに気づけないという事態が起こってしまう。

結果的に、入社後コミュニケーションが噛み合わないことが多いことに気づき、両者ストレスを感じながら仕事をする羽目になり、お互いが不幸になるのである。

バイアスのかかった質問をする

面接を受ける側にとっては、その会社の志望度の高さに関わらず、時間を費やして受けるからには選考をパスしたいと当然思っている(温度感に差はあれど)。落ちたいと思ってくるヤツはいない。

だとすると、できるだけ面接官が望む回答をすることが最適化された手になる。例えば「あなたはマネジメントが得意ですか?」と聞かれた場合、できるだけ「いいえ」とは答えたくない。得意かどうかは置いといてやったことあれば「やったことあるので大丈夫です」とか答えがちだし、やったことなかったとしても類似の経験、例えば「学生の頃はサークルのリーダーとしてイベント企画や管理をしていました」みたいな話を持ち出したくなる。

かつてぼくは「あなたは技術が好きですか?」という質問に対して「はい、好きです」と答えた人物を、技術好きだからスキルが伸びるやつだ!これで勝つる!と自信を持って採用したことがある。

7年前のオレの愚かさといったら、タイムマシンに乗って殴りに行きたいレベルだ。こんなん誰でも99%YESって答えるに決まってるやん。「あなたは人間ですか?」と問うくらいには愚問である。

しかし、この質問をしたオレという記憶は確かに存在する。つまりこれがシュタインズゲートの選択ということであるから諦める他ない。

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人間的に好きだから入社させたくなる

人間的に好きかどうか、という観点は一緒に働くという意味で非常に重要である。それは紛れもない事実であり、自明のことでもある。

だがしかし、人間的に好きだからといって入社してからも必ずしもうまくいくという保証はどこにもない。

やはり誠実そうで、愛嬌もあって、話していて楽しいと感じる人はぼくも少なからず好感を抱く。出来ることならこの人と一緒に働きたいと感じる。でもそれはその人の一面であり、人間性というスキルでしかないのである。それだけで決めてしまっては行けない。それは情に流されて思考を放棄しているだけだ。

  • 仕事の遂行能力(エンジニアなら技術力、営業なら営業力)
  • コミュニケーション能力
  • 人間性

これらの観点の全てを満たしてなければいけない。どれか一つでも組織にフィットしていないのならお互いに不幸になる確率が高まってしまうのだ。

面接する側は偉くない

いまさら明記するような話でもないとは思うけど、面接する側・される側に上下関係は存在しない。ただ単にアプライするという一方向性が存在しているだけで、面接する側は偉くもなんともないし、本来他人を評価し選考するなどということ自体が不遜であると感じる。

でも組織というものは、その目的を達成するためにできるだけ可能性の高い手段を取らねばならない。そして、その狭間にぼくはいる。そのことを忘れずに採用活動がんばるぞい。