ごきげんよう。mofmofのエンジニア兼代表取締役のはらぱんこと原田敦です。
mofmof inc.では今期は特に新規事業の立ち上げに力を入れて数々のプロダクトを生み出してきた。mofmof inc.はものづくりの会社で、メンバーの8割がエンジニアの会社。なので、新規事業の立ち上げもエンジニアが担当している。
新規事業立ち上げは数多のスキルが要求されるお仕事で、事業開発・開発・マーケティング・グロース、と立ち上げ期は幅広い仕事を少人数チームで、あるいは一人でやることも珍しくない。
ぼく自身、もともと普通のWEBエンジニアとしてキャリアを積み上げてきたので、マーケティングのことはチンプンカンプンだったけど、素人なりに基礎を学んで、少しずつ理解して自分でもある程度は出来るようになった。
今回は、ここまで来るまでに読んだおすすめの3冊の書籍を紹介したい。
なぜエンジニアがマーケティングを学ぶか
その前にエンジニアがマーケティングを学んだ方がいいのか、理由を説明しておきたい。
ある程度経験を重ねて、自分でアプリケーションを組めるようになってくると「自分のサービス」を持ちたいって欲求が生まれてくることは自然なことだ。かくいう、ぼくもその一人だった。
一般的によく誤解しがちなんだけど「いいアイディアがあって、それを形にしたら儲かる」という幻想がある。ぼくにもあった。だから、身近のエンジニアで収益を上げている例を見ると「そんなアイディアがあったか!うまくやりおったな…!」とか思ってた。その裏にある苦労も知らないで。
実際に自分のサービスを作ってリリースしてみれば分かるんだけど、実は、作ったところで誰も見向きもしてくれないことがほとんど。SNSで繋がってる周りの友人の数十人が一度だけ使ってくれる程度が関の山。
特にBtoBのサービスは自分の友人にターゲットとなる人でもいないかぎり、最初のユーザーを獲得することすら困難。作ったサービスの価値を検証するために顧客を見つけたいけど、検証に協力してくれるユーザーにすらたどり着けなかったりする。
そこで、マーケティングの知識があれば、あらゆる手を尽くして顧客にリーチ出来る可能性が高めることが出来るようになる。
面白いものとか、いいもの作れば売れるでしょ
昔、収益を目指さずネタに走ってバズらせて認知を獲得しようっていう作戦で、弊社のエンジニア橘さんと一緒におバカアプリを作ったことがある。
このDoyaaaというアプリ。
http://applion.jp/android/app/com.doyaaa.autodoyaa.autodoyaa/
スタバの近くを通ったらだけで自動的に「ドヤァ」ってつぶやいてしまう画期的なアプリなんだけど、これがまた全然ダウンロードされなかった。いまや開発者コンソールに入れないので分からないけど10ダウンロードもされなかったんじゃないかと記憶している。
この通り、下手なやりかたをすると笑えるほどユーザーに届かない。莫大な広告予算があれば少し話は変わるけど(結局垂れ流すだけなんだけど)、普通はそんな都合の良い話はない。
リスティング広告回せばいいじゃん
そう思っていた時期がぼくにもありました。
残念なことに下手な豆鉄砲でリスティング広告回しても、そもそも届けるべき人に届いていなければコンバージョンしない。とっても残念なことにね。
toBかtoCとか、商材にもよるけど、リスティング広告は思った以上にコンバージョンしにくかった。実際に自社で運営しているサービスではコンバージョンの90%くらいが自然流入だったりする。つまり、実はお金があったって簡単に解決する問題じゃない。
エンジニアがマーケティングを学ぶのにおすすめの書籍
周りにゴリゴリにマーケティング出来る人がいれば教わるのがベターだけど、まあそんな恵まれた環境はそうそうない。そこで、これだけ読んで実践すれば、マーケティング素人のエンジニアでもマーケティング入門レベルまでいけるよって本を紹介する。
①沈黙のWebマーケティング − Webマーケッター ボーンの逆襲
②Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書
③沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘
①沈黙のWebマーケティング − Webマーケッター ボーンの逆襲
SEO・WEBライティング・コンテンツマーケティングあたりの基礎的な知識を、マンガとストーリーを織り交ぜて教えてくれる書籍。カジュアルな本だけど、マンガだけでなく、ちゃんと網羅的な解説もついているので本当によく出来た書籍だと思う。全力で推せる。
ボーン・片桐という、世界最強のWEBマーケッターが、オーダー家具の「マツオカ」をマーケティングで救う話なんだけど、40kgのパソコンを普段使いしていたり、パソコンが熱風や閃光を放ったり、キーボードを叩いただけで凄まじい風圧の衝撃波が発生したり、なかなかムチャクチャな展開が面白い。もはやマーケティングの書籍とは思えないくらい。
また、コンテンツ配信のためのSNSアカウント運用についても具体的なやり方が書いてある。ぼくは、これを個人アプリの方のマーケティング施策としてやっている。
結果、Twitterで1,600フォロワーを獲得して、情報の配信 => アプリダウンロードという導線の構築に成功した。1,600なんて大した数字じゃないけど、安定的にユーザーを供給できる基盤になったので十分価値はあると思う。
ちなみに、実はこの本買わなくても読める(ぼくは書籍は全てKindleで読みたいから買ったけど)。
②Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書
小手先のSEO対策は通用しなくなって久しい。metaタグにキーワードを羅列するとか、大量の被リンクを獲得するとか、そんな単純な施策は今のGoogleでは通用しないし、むしろペナルティを食らってしまう。
そこで今はどういう流れなのかと言うと、いかにユーザーにとって役に立つコンテンツを発信して自社の製品を知ってもらうという戦い方が主流だ。つまりSEOとコンテンツマーケティングは切っても切れない存在。
正直言って、この書籍は具体的な情報が圧倒的に不足している。この本はコンテンツマーケティングのアウトラインを紹介しているのに過ぎないので、これ単独ではコンテンツマーケティングを実践するのは難しいと思う。
だけど、基本的なマーケティングの設計で何をすべきかや、コンテンツマーケティングにはどんな選択肢があるのかも知ることが出来るので、読んでおいて損はなかった。
③沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘
上記の「沈黙のWebマーケティング − Webマーケッター ボーンの逆襲」の続編。
書籍名にWEBライティングって入っているけど、SEOの知識やオウンドメディアの設計の仕方、コンテンツをバズらせる演出など、ライティングに限らず包括的な知識を学ぶことが出来る。
温泉旅館「みやび屋」を舞台に、再び主人公のボーン・片桐がWEBライティングのコンサルティングして行く話なんですが、今度は暗殺されそうになったり、その仕返しに「フィードバック・ループ」とか叫びながら、物理で殴って解決したり、相変わらずのムチャクチャな展開で、WEBマーケッターとは一体なんなのかって気持ちさせてくれる。
最後のオチも、えええええええええええええええ!!!??ってなる。
例によってこちらも買わなくても読める。
まとめ
上記であげた3冊を全て読んで、出来ることを愚直に実践してみれば、WEBマーケティングの入門者くらいにはなれる。
「自分で作ったサービスを世の中の人に知ってもらって、多くの人に価値を届けたい」
それを実現するために、エンジニアであってもマーケティングの基礎を学んで試行錯誤してみることは、作り手しても大きく成長していくことにつながるはずだと思う。