結論から言うと、開発会社というか、弊社mofmof inc.としてはあまり望ましくないなと考えてます。
実はこれについては前々から長い葛藤があって、なかなか結論を出せずにいたんですが、最近少しだけ糸口が見えた感があった。
あっ、mofmof inc.エンジニア兼代表の原田が書いております。
ソフトウェア開発会社というビジネス
ビジネスという活動を超超簡単な言葉にしてしまうと「サービスを提供して対価を得ること」だと思うのですが、それに従って考えれば「ソフトウェアを提供する」あるいは「技術力を提供する」というサービスに対して対価であるお金を得るという話は至極当たり前な話。息を吸ったら息を吐くってくらい普通な話。飲んだら乗るなってくらい常識的な話。ちなみにぼくはお酒は嗜む程度には飲みますが、ビールは少し苦手です。
ともすると、出来るだけたくさん営業して、出来るだけ高い金額で受注して、出来るだけ低いコストで、出来るだけたくさん仕事をこなす、ということがこのビジネスの作用点になるはず。
じゃあそれを努力すれば儲かるんだよね?やればいいんじゃん。って話なんですが、こじらせちゃった系エンジニア社長のぼくとしては、そうは問屋が卸さないわけです。
本当に価値を提供しているのか?という問題
どういうことかというと、我々が「ソフトウェアを提供する」あるいは「技術力を提供する」ことが、あるクライアントにとって本当に価値があることなのか?という疑念を抱いてしまうのですよ。
何が言いたいのかというと、我々が提供出来るのはソフトウェアを作るという手段なんだけど、クライアントが実現したいのはそれじゃなくて、それを持って何かを作り上げて収益得る(あるいはコストを削減する)ことであるはず。手段を提供した結果、何かを手にして欲しいのですよ。ぼくは。
さて、ここでフワフワっと問題が浮上してきます。それはですね、
「それ作って本当に儲かるの?」
とか思ってしまうことがあるですよ。ぼくのような小者めが、おこがましいことこの上ないが。
こういうときは大体「まずはビジネスモデルのキャンバスを作って検証してみましょう」とか「ターゲットとするユーザー層にインタビューしに行きましょう」とかっていう話をしてしまうことが多いかも。
誤解がないように言っておくと、決してビジネスモデルを否定してるわけじゃないです。ぼくにも実際うまくいくかどうかなんてサッパリわからんわけですから。でもちゃんと検証して、可能性があるポイントを見つけてから開発にお金を投資した方がムダが減るし、成功率も上がるじゃんって思うですよ。本当に真心を持ってそう思ってる。出来ることならぼくの真心を取り出して見せてあげたい。真心よりも下心が見たいという方は個別にお問い合わせください。見せないけどね!
で、こういう話をするとどうなるかというと「わかりました。もうちょっと検討してみますね…ハハハ」とかそんな感じの微妙な空気になっちゃう。もしイケイケゴーゴーな開発会社だったら「いやーお客さんマジすげぇっすね!パネェ。そのアイディアはなかったッス。他社がやるまえに早く作っちゃった方がイイっスよ!!まず見積もりはですね…ごにょごにょ」みたいなこと言うのかな。すげえな。
でもまあそりゃそうですよね。開発会社に期待しているのは開発してもらうことであって、アドバイスじゃないですもんね。ハテこういうときどうしたら良いんだろうな。
とにかく、手段を提供した結果、何かを手にして欲しいのですよ。ぼくは。(大事なことだから2回)
失敗することも価値のうち?
「作って失敗することにも価値がある」
こう考えるのもアリなのかな?
ぼくも小者ながらベンチャー企業の社長という立場なので、新規事業を企画してはつぶしてーを繰り返してきました。ぼくも何度も失敗しているわけです。ものを作っちゃったのもあります。でもそれらがムダだったかというと、全くそうは思っていない。近道は通れなかったし、回り道もしたけど、少なくとも今は確実に前に進める方法を知った気がする。
結局どれだけ仮説検証を一生懸命やったところで、失敗するものは失敗するし、どうしてかわからないけど成功しちゃうこともある。数%の可能性を変えるだけに過ぎないかも知れない。だったらさっさと作っちゃって、実物で検証しようぜって考えもナシじゃない(検証活動をしないことを肯定するわけじゃないけどね)。
質の良い失敗をしよう
それでもまだモヤモヤとしていたんだけど、「質の良い失敗をすること」が出来ればそれも良いのではないかと考えるとちょっとスッキリした。これまた誤解のないように言っておきますが、失敗を前提としているわけじゃないですよ。成功してちゃんとお金が稼げることが一番です。でも新規事業においては失敗することなんて山ほどあるわけだから、その中でも価値のある失敗をしようぜということを言いたい。
価値のある失敗とは何か?深掘りしていくと今回のテーマを逸脱して収拾がつかなくなる気配を感じるのでサクっと考えたいところですが、つまりは次に繋がる失敗をすれば良いってことかなと思う。失敗に対して真摯に向き合い、なぜ失敗してしまったのかを学習し、次はどうすればうまくいくのかを探し出すことが出来れば、それは価値のある失敗なんじゃないかと。
そうすると、価値のある失敗が出来るかどうかは、起案者の能力でも、ビジネスモデルの妥当性でも、市場の大きさでもなく、新しいビジネスに真剣に向き合う人そのもので決まるのではないかという結論に至った。
具体的にどうするか
どういう人なら価値のある失敗が出来るかをまとめると、
- 事業に情熱を持って主体的に行動出来る
- うまくいかなかったこと・失敗してしまったことを個人の責任にせず、自身あるいはチームの責任と考え対処出来る
- やったことないこと・知らないことでも必要とあればひとまずチャレンジしてみる
こんな感じの人だろうか。少なくともぼくはこういうが好きだ。こういう人と仕事をするのは楽しい。ハッスルハッスルだ。
まだ全然プロセスが確立していないんだけどこんな風に進めてみるのはどうかなと思ってます。この間1ヶ月〜のイメージで、あえて一切ソフトウェア開発に着手しない。これによって上記のような人であることを確かめたい。同時にクライアントは我々と仕事をすることがベターなのかを判断して欲しい。
- 開発の相談、やりたいビジネス、作りたいものをうかがう
- ビジネスモデルキャンバスを書いて、それをもって議論する
- 画面遷移図、手書きのワイヤーフレームを書いて、またしても議論
- インセプションデッキを作り、MVPをもって検証したいポイントをハッキリさせる
- ユーザーストーリー(要件出しみたいなもの)を出してきていただき、具体的に作りたいもののイメージを固める
- 開発始動!
こんなことにチャレンジしてみたいと思っているのですが、もし一緒に仕事してみたいなーと思っていただけたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。「ブログ見ました」とか書いておいていただけると話が早いかもです。
ぼくたちは「つくって人をしあわせにする」というビジョンを持つ会社です。 だから、手段を提供した結果、何かを手にして欲しいのですよ。ぼくは。